東北芸術工科大学の「市プロジェクト」は、人口減少が進む地方都市で、ものづくり中心の暮らしを成り立たせていくための新しいつくり方・売り方・つながる場を、ゲストクリエイターと地元のつくり手がともに考え、実践していくアートマネジメント人材育成プログラムです。
第3期の成果展では、今年度からスタートした4つの市プロジェクト研究会のうち、荒井良二さん(アーティスト・絵本作家)が監修する物語の市「山のヨーナ」と、小桧山聡子さん(山フーズ)が監修する食の市「ゆらぎのレシピ」のふたつが、その活動を報告します。
2018年2月8日[木]〜18日[日]
12:00~19:00(入場無料・2/13[火]休)
会場:とんがりビル KUGURU (1F) & SUANA (3F)
主催:東北芸術工科大学
=============================================
本展では、荒井良二さん(アーティスト・絵本作家)が監修する連続ワークショップに参加した8組の家族が、架空の少女「ヨーナ」とともに、立体絵本のような一軒の土産店をひらきます。
山に住むヨーナ。
山に生まれ、山に育ち、山に暮らす。
荷車にしつらえたような 小さな小さなお店で
おみやげを並べ、お茶を出す。
峠にあるヨーナの店。
ヨーナはまだ 山から出たことがありません。
どこにも行ったことが ないのですが それよりも
なによりも ヨーナは山が 大好きです。
でも、ほかの世界のことを誰よりも知りたがっているのは
ヨーナなんです
(『山のヨーナ』制作ノートより)
◎公開制作:荒井良二とつくる「山のヨーナの店」
日時:2月10日[土] 13:30〜16:30(見学自由)
『山のヨーナ』とは、荒井良二さんが現在構想中の絵本で、山の少女「ヨーナ」が営む土産店を舞台に、街の人と山の人が交流する物語。公開ワークショップでは荒井さんと子どもたちが展示室ぜんたいに『山のヨーナ』の世界を表現していきます。
「山のヨーナ」ワークショップ参加者:
小板橋基希、小板橋千夏、小板橋杏子、小板橋一太、後藤ノブ、後藤美雪、後藤奏、後藤ののは、月本久美子、月本寿彦、月本多穂、山川雄大、山川千夏、山川愛華、山川絢未、鈴木敏志、鈴木凜、西村隆彦、遠藤綾、西村ゆろ、西村かや、小関司、小関文恵、小関春、宮本武典、宮本由実、宮本結子、宮本桔和、荒井良二、荒井奈穂、荒井リモ
荒井良二(あらい・りょうじ)
アーティスト・絵本作家。1956年山形県生まれ。1990年に処女作『MELODY』を発表以来、数々の絵本、挿画を手掛ける。2005年には児童文学賞の最高峰アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞、日本を代表する絵本作家として国内外で活躍。絵本『あさになったので まどをあけますよ』で2012年に第59回産経児童出版文化賞大賞を受賞。2010年と2012年に郷里の山形市で個展「荒井良二の山形じゃあにぃ」を開催。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」芸術監督。
◎同時開催:座談会「東北芸術工科大学が考える地域とアートの展望」
2月10日[土]11:00~12:30(申込不要)/とんがりビル KUGURU(1F)
荒井良二氏が芸術監督を務める「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018」(本年9月開催)の開催テーマとメインビジュアルを発表するとともに、美術大学を拠点にアートとデザインが地域社会に果たせる役割とその可能性について語り合います。
登壇:荒井良二(山形ビエンナーレ芸術監督)、根岸吉太郎(映画監督/本学学長兼理事長)、中山ダイスケ(アーティスト/本学デザイン工学部長)、三瀬夏之介(日本画家/芸術工学研究科長)、宮本武典(山形ビエンナーレプログラムディレクター)
=============================================
本企画では、アート制作の経験を生かしながら「食とそのまわり」で活躍する「山フーズ」の小桧山聡子さんが、最上郡真室川町の伝承野菜農家を拠点に、豊かな自然とともに生きる人々の食をめぐる生命の現場を取材。その体験の「ゆらぎ」をもとに制作したレシピを、写真・映像・テキストで表現します。
「食べる身体 喰えない風景」 小桧山聡子
「たべる」という行為について、いちいち考えなくても1日3食は過ぎてゆく。 すべてが準備OKの状態で差し出される現代では、それらを選んで口に入れるだけで咀嚼は完了してしまう。カロリー計算とか、どこどこ産とか、安くて早いとか、情報は過剰に取り入れながら、どこかなにかが奥の方でうずくのを、見なかったことにして生活している。
まるでコピー&ペーストの連続で建てられていく新興住宅やチェーン店、どこも同じ風景の駅ビルに囲まれながら、言いようのない不安に襲われるのはなぜだろう。 それは、その風景が「腐る」気配がしないからなのではないか。ちゃんと腐って朽ちていく、その実感を肌で感じられないから、自分も土に還れないような言いようのない恐怖にゆっくりと締め付けられていくのではないか。私たちはいつもどこかで消化不良だ。
私はずっと、食べる頭ばかり肥大化して、どこか身体が定まらない感覚で生活してきた。 どうにか身体を取り戻そうと、頭ではなく身体でたべる様々な実験を試みた。あたりまえになっているやり方を一回とっぱらって、五感、六感つかいながら、自分の内臓を感じ、生々しい「たべる」という行為と純粋に向き合いたいと願って、ひとり実験してみたり、ときに外に向けて提案してきた。 食べている対象の生き物はもちろんのこと、食べている私たち自身もナマモノなので、その身体には体調もあり感情もあり揺らいでいて、答えは常に同じではない。「おいしい」ってなんだろうとか「食べるという行為」についてなどその都度考えさせられるあたらしい発見があった。
そんな中、様々な土地を訪れたり、環境に身を置く機会に恵まれるようになってきた。 山形もそのひとつだ。 「食べもの」だったものたちが、生きている、ところを目の当たりにすることになる。 土から、ぬっと頭を突き出してくる、その得体の知れぬエネルギーに足下がぐらりゆらぐ。 そういうことは、分かっていたつもりだった、知っているはずだったのに、圧倒的ななにかが身体の中で呼応している。「たべる」にまつわる身体的なもやもやは、一気に高度を上げて、身体を取り巻く自然までもを視野に入れて感じられるようになっていった。
そういう環境に身を置いているとだんだんと、自分の輪郭が曖昧になっていくのを感じる。食べている自分の内側と、外側にある生命体との関係。内と外とに線を引く輪郭の定義が崩壊する危うさと心地よさ。おっかなびっくり、でも確実に目を見開いて、この山形真室川での2年間に及ぶプロジェクトでは、そこに触れてみたいと思っている。
うちのめされたり、恥ずかしくなったり、絶叫したり、歓喜したり、トーキョーのもやし野郎(私)がどれだけ正直にそこに立っている自分を晒せるか、その回路を開け放っておく事が最大の準備なのだろうと思う。ゆらぎの先に、何を感じられるだろう。
兎に角、自分に嘘はつかぬように。
(2017年5月/真室川にて)
◎トークショー:山フーズの「ゆらぎの食卓」
日時:2月11日[日]15:00〜16:30 (※19:00〜20:30と記載していましたが誤りでした)
会場:とんがりビル nitaki (1F)
要申込/参加費1,500円(ドリンクと軽食付)/定員25名
解説:小桧山聡子(山フーズ)、志鎌康平(写真家)、佐藤春樹(伝承野菜農家「森の家」)、高橋伸一(「工房ストロー」主宰)
司会:宮本武典(キュレーター)
申し込みはお電話か申込フォームで承ります。
フォームの場合:件名を「ゆらぎの食卓」とし、お名前・ご連絡先等の必要事項と、同伴者がある場合は内容欄に人数・お名前を明記のうえ送信してください。→申込フォーム
お電話:023-627-2091 山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課/担当=加藤・鈴木)
小桧山聡子(こびやま・さとこ)
「山フーズ」主宰。1980年東京生まれ。多摩美術大学卒業。素材としての勢い、料理としての勢い、美味しさ、を大切にしながら ”食べる” をカラダ全部で体感できるような仕掛けのあるケータリングやイベント企画、ワークショップ、レシピ提供、撮影コーディネート、執筆など多様な角度から「食とそのまわり」の考察、提案を行っている。
=============================================
主催:東北芸術工科大学
助成:平成29年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト2017)
コーディネート:宮本武典(東北芸術工科大学准教授・主任学芸員)
協力:株式会社マルアール/ハチ蜜の森キャンドル/平清水焼七右エ門窯/梅木修一・梅木直美(蔵王系こけし)/spoken words project/荒達宏/穂積繊維工業株式会社/平澤はるな/神谷咲/小野寺宥紀/中村綾恵/阿部衣利子/三浦友加/小野寺奈央/佐藤萌以/梅木駿佑(UMEKI DESIGN STUDIO)/TIMBER COURT/後藤ノブ(akaoni)/工房ストロー/nitaki/金洸志
会場:山形県山形市七日町2-7-23 とんがりビル
アクセス:山形駅からバスで七日町バス停まで約10分、バス停から徒歩で約4分。駐車場はありません。周囲の有料駐車場をご利用ください。
お問い合わせ:
山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5
TEL:023-627-2091(担当=樋口・鈴木)
→ お問い合わせフォーム
東北芸術工科大学の「市プロジェクト」は、人口減少が進む地方都市で、ものづくり中心の暮らしを成り立たせていくための新しいつくり方・売り方・つながる場を、ゲストクリエイターと地元のつくり手がともに考え、実践していくアートマネジメント人材育成プログラムです。
第2期では、今年度からスタートした4つの市プロジェクト研究会のうち、森岡督行(森岡書店)が監修する工芸の市「畏敬と工芸」と、小板橋基希(akaoni)が監修するこどもとデザインの市「山の面々」のふたつが、その活動を報告します。
2017年12月15日[金]〜24日[日]
12:00~19:00(入場無料・月曜休)
会場:とんがりビル KUGURU & 十三時
主催:東北芸術工科大学
=============================================
本展では、災害や自然への畏れのイメージが、ふだん使っている工芸に落とし込まれていないか、或いは、自然への敬いのかたちが、造型としてどうのこされているかを、地域の人々とともに調査したものを提示します。工芸のなかに畏敬の念を見つけることは、換言すれば、時代の断絶を実感することにつながります。私たちの祖先が親しんだ世界観、信じた宗教、それらのすべてを現代の私たちが継承しているわけではもちろんありませんが、工芸にのこされた畏敬のあとを見ると、どれだけ生活と一体化していたかがひしひしと伝わってきます。それは、一点一点の工芸をみなで「読む」体験とも言えました。時としてある情報がつぎの情報にむすびつき、本展の全体イメージが生まれました。「畏敬と工芸」にこれまで感じたことのないざわめきを覚えて、深く引込まれたなら、おそらくそれは、私たちのこころのなかに少ないながらも、確実にのこっている「野生のカン」のようなものが、無意識のうちに働いているのかもしれません。(森岡督行)
出展:
森岡督行/岩井巽/位部恵理/大江よう/沖津直美/菊池芙生子/齋藤則子/杉山ひかる/鈴木伸夫/田村岳男/土屋理奈/野田晶子/渡部萌
編集・デザイン:
工藤拓也/難波知子
空間デザイン:
柴山修平
森岡督行(もりおか・よしゆき)
「森岡書店」店主。1974年山形県生まれ。「1冊の本を売る書店」がテーマの株式会社森岡書店代表。著書に『BOOKS ON JAPAN 1931−1972』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『荒野の古本屋』(晶文社)、『本と店主』(誠文堂新光社)等がある。『工芸青花』(新潮社)編集委員。森岡書店のビジュアル・デザインと取り組みが、ドイツのIFデザイン賞とイギリスのD&AD賞、2016年度 グッドデザイン・ベスト100を受賞した。
=============================================
やたら目つきの鋭いもの、すごく顔色の悪いもの、とっても滑稽な表情のもの。人類の長いながい歴史のなかで、また多くの民族が生きる広いひろいこの世界の各地で、実に様々なお面がつくられてきました。そうしたお面を読み解き、本質を探り、新たなお面を創造するのが今回のプロジェクトです。お面が儀式や祭りの道具であり、ひとの世と神々や鬼たちの棲む異世界とをつなぐ扉であり、昔話やファンタジーを起動させる装置でもあることに私たちは改めて気づきます。こどもがその不気味さに怯えるのも、その向こうに潜むただならぬ世界の気配を感じてしまうからではないでしょうか。新しいお面をデザインするとは、つまり、見たこともないお面の造形に向かう、ということにとどまるものでなく、過去の神話を掘り起こすことであり、新しい物語を紡ぐことであり、さらには未来の神話の入り口を見つけることかもしれません。お面というフォーマット上に新しい「山の面々」を描き出す。それは山の裾野に暮らす私たちクリエイターによる想像力の挑戦と言えるでしょう。(小板橋基希)
出展:
小板橋基希/是恒さくら/小関司/後藤ノブ/佐藤裕吾/鈴木敏志/高野明子/原田圭/ブルーノ・ピーフル/古田和子/三瀬伸江
小板橋 基希(こいたばし・もとき)
アートディレクター/デザイナー。株式会社アカオニ代表。1975年群馬県生まれ、大学入学とともに山形に移住。東北の「自然・暮らし・遊び・食べ物」に魅せられ大学卒業後も山形に定住し、2004年にデザイン会社アカオニを立上げる。日常に潜む、みんなの意識の境界にある幻想のようなものを、愉快な形にするとこを目標に、山形市にて「アカるくすなオニ」営業中。 http://www.akaoni.org
=============================================
12月15日(金)18:30~20:30 (入場無料/申込不要)
進行役:森岡督行、小板橋基希、宮本武典
=============================================
主催:東北芸術工科大学
助成:平成29年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト2017)
コーディネート:宮本武典(東北芸術工科大学准教授・主任学芸員)
協力:株式会社マルアール/株式会社akaoni/貝瀬千里/蔵六面工房/金洸志/株式会社金入/ガッタハウス/工房ストロー/山の形/真室川町立歴史民俗資料館/出羽の織座米澤民藝館/菅原葵
お問い合わせ:
山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5
TEL:023-627-2091(担当=加藤・鈴木)
→ お問い合わせフォーム
=============================================
◎開催予告:市プロジェクト・ウィークエンド
[第3期] 物語の市+食の市
ファシリテーター:荒井良二+小桧山聡子
2018年2月6日[火]→18日[日]
※タイトル、会期等は変更になる場合があります。
東北芸術工科大学の「市プロジェクト」は、人口減少が進む地方都市で、ものづくり中心の暮らしを成り立たせていくための新しいつくり方・売り方・つながる場を、ゲストクリエイターと地元のつくり手がともに考え、実践していくアートマネジメント人材育成プログラムです。
本企画「市プロジェクト・ウィークエンド[第1期]」では、2016年度から市プロジェクト招聘クリエイターとして活動を継続するアトツギ編集室とナカムラクニオが、とんがりビルに手仕事と本のコンセプトショップと、ディスカッションプログラムをひらきます。
2017年10月14日[土]→22日[日](月曜休)
会場:とんがりビル KUGURU & SUANA
主催:東北芸術工科大学
=============================================
街に口を開けた洞穴KUGURU、夏の終わりにザーザー雨が降ると山人や山姥と呼ばれる人々がやってきて祭事がひらかれるという。往来する人が小声で「山姥堂の季節がやってくる」と言っていた。堂の奥で語られるのは説法か外法か、堂の奥に立つのは市庭か追い剥ぎか。さぁさ、さぁさ、やまうば、やまうば。
企画:アトツギ編集室
◎山姥市[展示・販売会]
古来、山と里の境界で行なわれる交換や儀礼の場は「市庭(いちば)」と呼ばれました。街の裂け目のような洞穴に現れる のは、山姥の世界観を具現化するインスタレーションと市。木地、装飾品、樹皮、蔓、繊維、キノコ、木の実、牙、骨、石、枝、花など山人が持ち寄る山の市庭。
展示「山姥キオスク」:10月14日[土]→22日[日] 11:00~18:00(月曜休/入場無料)
※山姥講❶・❸開催時は申込者のみ入場可能。
販売会「山の市庭」:10月14日[土]・21日[土]11:00~17:00
◎山姥講[座談会]
自ら山へ入り始めたアトツギ編集室がコーディネーターとなり、山形のことやモノづくりを基層から見つめ直す勉強会と講座。キーワードは、世界三大ブナ帯、狩猟採集、冬、雪、森の解像度、祭、文様、装飾、ケルト、3、編組み、無限、酒。
❶10月15日[日]14:00~17:00(開場13:45/参加費500円/ドリンク付/要申込) ※申込受付終了
「山の入り口」
進行:アトツギ編集室 知の山に分け入る準備運動。素材の採集やモノづくりなどの身体性や山と人の関係性、ケルトや東北を内包するブナ帯文化について本を読んだり映像を観たり、勉強会を行ないます。DVD、音楽、民芸品などの資料持参も大歓迎。
❷10月20日[金]19:00~ 21:00(開場18:45/参加費1,500円/ドリンクとパテ付/要申込) ※申込受付終了
「山形の四季、世界の四季─共通点はブナ帯ワンダーランド!」
ゲスト:林のり子(パテ屋・〈食〉研究工房)
林氏は〈食〉研究工房として、東日本に分布する広葉樹林のブナ帯をフィールドワークし、「世界のブナ帯食ごよみ」の制作や展覧会などに、さまざまな形で結晶させています。ブナ帯の四季と、豪雪と共に生きる人々の感性、その魅力をパテとお酒を楽しみながら語り合います。
❸10月22日[日]12:00~15:30(開場11:45/参加費1,500円/昼食付/要申込) ※申込受付終了
「視座の螺旋─ケルトと山形、表象と表面」
ゲスト:鶴岡真弓(ケルト芸術文化研究家、多摩 美術大学芸術人類学研究所所長・教授)
山形と同じブナ帯の自然環境に育まれたケルト文化。その研究の第一人者であり、山形にも縁のある鶴岡氏をお招きし、文様や編み目、織り目、表面にこそ立ち現れる人間の精神についてお話しをお聞きします。
※各回の定員は30名で、全て事前申込が必要です。お申込み期限は各回開催日の3日前まで、お電話か申込フォームで承ります。
申込フォームの場合は件名を「山姥講(ご希望の回の番号1~3を明記)」とし、お名前、ご連絡先、お申込人数等を明記の上、以下のフォームから送信してください。
※文字コードの関係上、回の番号は「①②③」ではなく「1・2・3」をお使いください。
→申込フォーム
Tel:023-627-2091 ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
定員になり次第締め切りとさせていただきます。
◎アトツギ編集室 (Atotsugi Editorialroom) 天野典子、稲葉鮎子、成瀬正憲、吉田勝信による「アトツギ」をテーマに活動するリトルプレス。山形や東京など異なる拠点を持つメンバーがあつまり、2013年に設立。地域の食、手仕事、生業や暮らしの継承などを巡り、「聞き書き」をベースに本・展覧会・旅をつくっている。2013年『アトツギ手帳│庄内の食の継ぎ方』(アトツギ編集室)を出版。展示会に2012年「アトツギ展│山と里、庄内にまなぶ」(世田谷・生活工房)、2013年「アトツギ展│鶴岡の食の継ぎ方」(TSURUOKA FOOD EXPO 2013)。2013年より山を巡るフィールドワーク「森の晩餐」シリーズを展開する。
◎林のり子(Noriko Hayashi) 日本大学建築学科卒業後、ロッテルダム、パリの建築事務所に勤務。ヨーロッパの市場と〈食〉の豊かさに惹かれ、帰国後の1973年に手作りパテ・テリーヌなどの惣菜店「PATE屋」を開く。同時に世界の食のしくみを、気候や環境、さらには歴史や文化から探る〈食〉研究工房を設立。その作業の成果から「須玉の食ごよみ」(須玉町教育委員会)、「宮城のブナ帯食ごよみ」(宮城県)などを制作。著書に『かつおは皮がおいしい│パテ屋の店先から』(晶文社)他。山形県朝日町の「あっぷるニュー豚」のメニューの提案。2015年「ブナ帯☆ワンダーランド展」(世田谷区・生活工房)を企画。
◎鶴岡真弓 (Mayumi Tsuruoka) 美術文明史家。ケルト芸術文化、およびユーロ=アジア装飾デザイン交流史研究者。常陸の国生まれ。早稲田大学大学院修了後、アイルランド、ダブリン大学トリニティ・カレッジ留学。処女作『ケルト/装飾的思考』(筑摩書房)で、わが国でのケルト文明/芸術理解の火付け役となる。西はアイルランド、東はシベリア・日本列島まで「ユーロ=アジア文明の生命デザイン」を追跡中。新刊に『ケルト再生の思想│ハロウィンからの生命循環』(ちくま新書)。
=============================================
持ち運べる小さな住居であり、避難所であり、店舗として移動式書店にも、図書館にもなり、情報の発信基地にもなることが可能な〈ブックシェルター(本の避難所)〉。山形で生まれた、この〈ちいさな山〉のような山型本棚を拠点として、未来の暮らし方、働き方、地域の再生、新しいメディアの可能性など模索していきます。
企画:ナカムラクニオ
◎ブックシェルター
シェルター(shelter)とは、人間が敵からの攻撃を避けて、生き延びるために利用する空間の総称です。世界中に洞窟、地下都市、防空壕などがあり、迫害や戦いから逃れるためにさまざまな空間が作られてきました。この「ブックシェルター」の主な機能は、移動書店です。しかし、本と人がつながる空間を生み出し、いざとなれば山形市内を離れて仕事を続けることができるモバイルオフィスにもなります。「ブックシェルター」は、芸術祭やイベント通じて、時間や場所にとらわれない未来の働き方も提案していくプロジェクトです。
10月14日[土]→22日[日]11:00~18:00(月曜休/入場無料/申込不要/土・日は作家滞在)
◎くらやみ読書会
暗闇が教えてくれることは、たくさんあります。聴覚、触覚、嗅覚、そして人間にとって大事な第六感。実は本当に人間にとって大切なことは目に見えていないのかもしれません。人間は暗くすると、本音で話すようになり、時間の感覚も麻痺し、本来の自分に少し近づくことができるのです。そんなきっかけにもなる「くらやみ読書会」。各回テーマに沿った本を持ち寄り、会話を楽しみましょう。
❶10月14日[土]18:00~20:00(開場17:30) ※申込受付終了
「テーマ:サバイバル」……もし核ミサイルが発射されたら? もし大震災が再びおきたら? あなたはどうしますか。そして、どんな行動をとりますか? 東日本大震災の時に読んでいた思い出の本や、自分の身を守る時に必要な本などを、一冊お持ちください。
❷10月15日[日]18:00~20:00(開場17:30) ※申込受付終了
「テーマ:やらないこと」……今やることが多すぎて困っていませんか? 幸せになるためにはやることリストだけでなく、「Not To Do List (やらないことリスト)」を強く意識することが重要。日々のやることばかりに支配されないように引き算的行動が必要なのです。そんなスローライフに関する一冊をお持ちください。
❸10月21日[土]14:00~16:00(開場13:30)
「テーマ:未来の働きかた」……ロボットがなんでもやってくれる近未来。わたしたちの働きかたは、どのように変化していくでしょうか? 今ある職業のほとんどがなくなってしまう、とも言われています。そんな未来の新しい働きかたを考える一冊をお持ちください。
※各回の定員は20名で、全て事前申込が必要です(参加無料)。ご予約はお電話か申込フォームで承ります。
申込フォームの場合は件名を「くらやみ読書会(ご希望の回の番号1~3を明記)」とし、お名前、ご連絡先、お申込人数等を明記の上、以下のフォームから送信してください。
※文字コードの関係上、回の番号は「①②③」ではなく「1・2・3」をお使いください。
→申込フォーム
Tel:023-627-2091 山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
定員になり次第締め切りとさせていただきます。
◎ナカムラクニオ(Kunio Nakamura) 1971年東京都生まれ。荻窪のブックカフェ「6次元」店主。映像ディレクター。全国で実験的な読書会や小説のワークショップなど本にまつわるイベントを企画・運営している。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)、『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)、『パラレルキャリア』(晶文社)などがある。
http://www.6jigen.com
=============================================
会場:とんがりビル KUGURU & SUANA
〒990-0042 山形県山形市七日町2-7-23 とんがりビル1 & 3階
http://www.tongari-bldg.com/
※専用駐車場はございません。近隣の有料駐車場などをご利用いただきますようお願いいたします。
主催:東北芸術工科大学(〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5)
企画:ナカムラクニオ、アトツギ編集室
プロデュース:宮本武典
助成:平成29年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト2017)
協力:株式会社マルアール
お問い合わせ:山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
→お問い合わせフォーム
Tel:023-627-2091(担当=加藤・鈴木)
http://biennale.tuad.ac.jp
=============================================
◎開催予告:市プロジェクト・ウィークエンド
[第2期] 工芸の市+こどもとデザインの市
ファシリテーター:森岡督行+小板橋基希
2017年12月15日[金]→24日[日]
[第3期] 物語の市+食の市
ファシリテーター:荒井良二+小桧山聡子
2018年2月6日[火]→18日[日]
※タイトル、会期等は変更になる場合があります。
第3回「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018」にむけて、森岡書店の森岡督行さんが、東北各地で生活に根ざしたカミ・ヒト・カタチを調査・収集し、山形市七日町に展覧会のような「市」をつくる市民研究会を立ち上げます。研究テーマは「畏敬と工芸」。市民研究員の募集にあたり、森岡督行さんによる特別講義を開催いたします。
「サンスケ」。マタギが山に入るとき、災いを避けるため 身に付けて連れていったとされる。特に12人で入る際には必携だった。
山形ビエンナーレ2018にむけて、「畏敬と工芸」というテーマで、工芸に現れた畏敬のかたちを探っていきます。畏敬とは、辞書によれば、「崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうこと。」とあります。私たちの住む日本列島は四季折々の自然に恵まれている一方、その自然は、時として、生活を脅かす災害をもたらしてきました。遠い先祖から脈々とつづく自然に対する畏敬の念が、知らず知らず、身のまわりの工芸に落とし込まれているのではないだろうか、もしそうならどのように反映されてきたのか、これを見て行くのがこのプロジェクトの主旨になります。 またこの成果は、今年12月の成果報告展と、来年9月開催予定の山形ビエンナーレにて公開します。その輪郭を見れば、先祖が感じ取ったはずの自然の気配が、いまに立ち上がってくるのではないでしょうか。自分も勉強しながら進めていきたいです。
2017年6月/森岡督行
森岡督行の「畏敬と工芸」のはなし
日時:2017年7月8日[土]14:00→16:00(開場13:30/入場無料/要予約)
会場:KUGURU(山形県山形市七日町2丁目7-23 とんがりビル1F)
申込:ご予約はお電話かメールで承ります。メールの場合は件名を「森岡督行トーク」とし、お名前、人数、電話番号を明記の上、以下のアドレスに送信してください。
山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
Tel 023-627-2091 Email biennale@aga.tuad.ac.jp
定員:40名程度
◯タイムテーブル
活動報告|14:00→14:40
「震災と芸術祭~山形ビエンナーレの現場から」 宮本武典(キュレーター)
講義|14:50→16:00
「〈畏敬と工芸〉ことはじめ」 森岡督行(森岡書店店主)
森岡督行(もりおか・よしゆき)
「森岡書店」店主。1974年山形県生まれ。「1冊の本を売る書店」がテーマの株式会社森岡書店代表。著書に『BOOKS ON JAPAN 1931−1972』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『荒野の古本屋』(晶文社)、『本と店主』(誠文堂新光社)等がある。『工芸青花』(新潮社)編集委員。森岡書店のビジュアル・デザインと取り組みが、ドイツのIFデザイン賞とイギリスのD&AD賞、2016年度 グッドデザイン・ベスト100を受賞した。
―――
「畏敬と工芸」研究会について【研究メンバー募集】
―――
月1回・全5回、とんがりビル3F会議室で実施します。座学ではなく会議形式で、各々が「畏敬と工芸」に出展したい工芸品等を調査・編集し、展覧会(12月/KUGURU)にまとめていきます。2018年度に山形ビエンナーレで拡大展示をおこなうため、継続的に参加可能な方に限ります。「畏敬と工芸」研究会への参加登録(無料)をご希望の方は、下記の開講日をご確認の上、7/8特別講義のお申し込みの際に、会参加希望の旨を追記いただくか、山形ビエンナーレ事務局まで直接ご連絡ください。
開講日程
1)8月16日[水]18:30~21:30
2)9月13日[水]18:30~21:30
3)10月11日[水]18:30~21:30
4)11月15日[水]18:30~21:30
5)12月14日[木]18:30~21:30
講師=森岡督行、柴山修平(デザイナー)
コーディネーター=宮本武典
会場=とんがりビル3F会議室(SUANA)
定員=15名程度(※過去に「みちのおくつくるラボ2013〜2015」や「市プロジェクト2016」に参加された方でも受講可能です)
主催:東北芸術工科大学(〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5)
助成:平成29年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト2017)
協力:株式会社マルアール
お問い合わせ:山形ビエンナーレ事務局(東北芸術工科大学地域連携推進課)
Tel 023-627-2091(担当=加藤・鈴木)
Email biennale@aga.tuad.ac.jp
Web http://biennale.tuad.ac.jp