{ 事業概要 }

事業概要

市プロジェクト

事業名 「市プロジェクト」─地域資源を地域資本へ転換する場と人の育成─

事業期間 平成28年4月1日〜平成29年1月31日

事業の目的・趣旨 山形県は年間約1万人の人口流出がある。なかでも18才~20才の流出が突出している。農業や製造業、医療・福祉分野など、県内には一定の雇用ニーズはあるものの選択肢は少なく、若者が就きたい仕事がないというミスマッチが要因としてあげられる。山形の地域資源を継承しながら、同時に起業意欲を持つ若者たちのチャレンジを誘発・支援する地域社会の形成が急務である。
本事業の対象地は旧県庁の文翔館を中心とする山形市の中心市街地で、かつて定期的に「市(いち)」がひらかれ古くから物流・交換の拠点として賑わってきたが、活気を失って久しい。一方で、歴史的建造物、博物館や美術館、最上家の居城跡、地元交響楽団が本拠とする劇場など、豊かな観光資源を有している。また、世界的に知られる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」や、本学が主催する現代芸術祭「みちのおくの芸術祭─山形ビエンナーレ」が隔年開催されており、文化面においては中心地としての位置を堅持している。
本事業では中心市街地に点在する文化資源を、観光客や周辺住民が「鑑賞」するだけでなく、意欲的に「消費」するエリアとして再活性化していくことを目指し、かつてこの地域の結び目であった「市」を再興し、その運営者を育成する。育成対象者は若手生産者や地元クリエイターである。山形県内の様々な「つくり手」がつながり、あたらしい「市」を通じて創造的なイノベーションにつながる異業種交流を促進させ、生産者と消費者をダイレクトにつないでいく。これら一連の取り組みを「市プロジェクト」と名付け、山形の魅力として発信するシティプロモーションのコンテンツとする。さらに、「市プロジェクト」を若手生産者の起業やUIターンにつながる、インキュベーション的な学びの場・機会として整備し、若者世代のチャレンジを歓迎・応援する街の雰囲気を、産官学が連携して醸成していく。

実施概要 平成28年度の事業実施概要
1. 市プロジェクト会議の発足/「民具」「伝承野菜」「本」「美術・工芸」「服飾」の5つのカテゴリーで、山形県内のつくり手や企業関係者を集め、「市プロジェクト」企画・制作会議を立ち上げる。

2. 野外展示会としての「市」の開設/平成28年9月に開催される「山形ビエンナーレ2016」とタイアップし、5種類の市を山形市中心市街地に点在する空き地や寺院等の中庭を活用し、約1ヶ月の芸術祭開催期間に日替わりで2~3回ずつ開設する。

3. 他地域の地域ブランドプロジェクトとつながるセミナー(情報の交易)/「山形ビエンナーレ2016」の開催期間に、他地域のプロジェクトリーダーを招聘し、農業、書籍、民具の保存・活用をテーマにセミナーを開催し、モノだけではなく「情報」の交易をおこなう。成果は、ウェブサイトで公開・共有する。
 
今後の事業展開(平成29年度以降の取組)
前年度に構築した会議コミュニティ等の成果を再活用して、市街地のオルタナティブスペース「とんがりビル」で、春と秋の2回にわけて「市プロジェクト」を定期開催し、中心市街地での市の定着化を図る。また、平成30年の「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018」に再び参加することで、「市プロジェクト」の安定運営(独立採算)を達成する。
 
育成対象者
1. 産業振興やまちづくりに関わる行政・大学・NPOの職員
2. 山形を拠点に活動するデザイナー、アーティスト、クラフト作家、建築家
3. 地場の手工業(木工、繊維)の広報担当者、技術者、職人
4. 農業、食品加工業などの生産者、技術者
5. 飲食店、書店、ギャラリーなど自営業者
6. 地域誌の編集者、ライターなど
 
アートマネジメント人材の育成目標
1. 地域資源を調査、選定、編集、発信できる人材の育成。
2. クリエイターとのコラボレーションを通して、地域資源の新たな活用や価値付けができる人材の育成。
3. 生産者と消費者をつなぐ場や機会を継続的に運営し、地域資源を地域資本に転化できる人材の育成。
4. 地域のつながりから、地域資源を活かしたビジネスを起業・展開できる人材の育成
 
補助事業の社会的な役割、効果
1. 県内各地の生産者とクリエイターをつなぎ、協働による新規ビジネスやブランド創出のモチベーションを誘発する。
2. 地場のものづくりを、デザインと編集によって「見える化」し、一次産業の労働イメージを魅力的に変える。
3. 中心市街地の空き地を、生産者と消費者がつながれる場として活用し、賑わいを創出する。
4. 市をマイクロビジネスのインキュベーションとして継続し、ものづくりを仕事にしたい若者の起業やUIターンを促す。